製品/技術情報

使いやすさを追求した最新電動射出成形機『Si-6シリーズ 3機種』を開発

2013年4月18日


  日立グループの東洋機械金属株式会社(兵庫県明石市 社長 片山三太郎 以下 TOYO)は、主力製品である電動プラスチック射出成形機「Siシリーズ」において、新シリーズ「Si-6(シックス)」を開発し4月24日より受注を開始する。
>> Si-6シリーズ 特長 詳細はこちら (PDF:843KB)

写真 Si-6シリーズ

  Si-6シリーズは、1997年に発売した電動サーボプラスチック射出成形機Siシリーズの第6世代にあたり、現行主力機であるSi-V(ファイブ)シリーズ(2010年発表)の後継機となる。(Siはサーボ・インジェクションの略)
 1985年の初号電動機開発以来、TOYOが培ってきた信頼性ある電動サーボ射出成形機の技術を基礎に、「スマートモールディング “プラスチック射出成形をよりシンプルに、スマートに”」をコンセプトとして、省スペース設計や、最新制御「SYSTEM 600」を中心とした操作性、メンテナンス性の向上など「使いやすさ」を追及するとともに、国や地域ごとに設けられた安全規格のベース部分を共通化しリードタイムを縮めるなど、グローバル市場も視野に入れ商品化した。
  4月24日より初回ラインアップとして受注を開始するのは、型締力280トンのSi-280-6、同350トンのSi-350-6と450トンのSi-450-6の3機種。550トン以上の大型機については今夏をめどに、230トン以下の小型機については今秋をめどとして随時ラインアップの拡充を図る。

 

Si-280-6~450-6 の特長

1. 業界最小クラス省スペース設計 (*1)
  •  ・新設計射出機構により射出装置をコンパクト化し機体全長を業界最小クラスに短縮化。280トンクラスにおける従来機種Si-V(ファイブ)との比較で最大-740mm(約10%) (*2)、今回発表の3機種平均においても6%以上の短縮を実現、工場の省スペース化、リプレイス時のレイアウトの容易性が向上。
2. 最新制御 SYSTEM 600
  • (1) 見やすい、使いやすい、15インチLCDタッチパネル
  •  ・画面デザインを一新。グレーベースの見やすい画面で視認性が向上。
  •  ・画面が大きくタッチしやすい15インチLCDタッチパネルにより操作性を向上。また、LCDは水銀レス、かつ、LEDバックライトの採用で省エネにも貢献。
  • (2) 安全規格グローバル対応
  •  ・従来、各々の国や地域ごとにあった安全規格対応仕様に共通のベース仕様を設定することで、リードタイムの短縮、コストの低減を実現。
  • (3) 大切な金型を守る高精度の型閉監視
  •  ・独自開発のHSP金型保護制御により、僅かなトルクの変動を検知し型閉動作を停止、成形品の挟み込みによる金型事故を未然防止。
  • (4) トラブル原因の探索に有効な「診断機能」
  •  ・トラブル発生時点の各種のデータを自動記録、トラブル原因の特定に有効。
  •  ・お客さまが入力された成形条件から問題点を自動でピックアップし、画面上でアドバイス表示。
3. 目的に応じた射出装置構成
  •  ・各機種に「標準」、「高圧」、「高速」の射出装置を準備。対象成形品に応じて、圧力重視、速度重視が選定可能。
  •  ・射出装置の摺動部分に直動ガイドを使用し摺動抵抗を低減させたことで、摺動抵抗によって生じた、計量・射出の僅かなバラつき(=機差)をさらに最小化。
4. 最適型締を実現する「Vクランプ」型締機構
  •  ・京都大学との共同開発により完成した、V字形の新型トグル機構「Vクランプ」による、センタープレス効果で、均一な型締力分布を実現。また、ハイサイクル化に対応。
  •  ・同じく京都大学との共同開発により、高剛性化とスリム化を実現した金型取付盤を搭載。
  •  ・高速エジェクタによるハイサイクル効果を補完。
5. 省エネ・環境性能の向上
  • (1) 加熱筒に保温カバーを標準装着
  •  ・Si-6全機種の加熱筒に保温カバーを標準装着。型締力280トンクラスにおいてヒータ消費電力量55%(*3)削減。
  • (2) 食品容器生産に対応する機械グリースを独自開発
  •  ・食品容器など衛生管理の必要な成形に有効なプラスターグリース H1-2を開発。
  •  ・プラスターグリース H1-2はNSFインターナショナルにて「H1」(*4)に認定登録。
6. メンテナンス性の向上
  • (1) Si-280-6以上では、加熱筒周りのノズルタッチロッドを廃し、ノズル、加熱筒のメンテナンス性が向上。
  •  ・高精度のノズルタッチ制御によって正確なノズルタッチを実現した。加熱筒周辺のロッドをなくしたことで、スクリュー交換をはじめ作業性が向上。
  • (2) スクリューメンテナンスを容易化
  •  ・ワンタッチ化したノズルヒータ・熱電対を標準装備。加熱筒周辺の交換作業軽減に貢献。
  • (3) その他
  •  ・機体カバーの分割軽量化、カバー取付方法の改良によるボルト点数の低減など細かなメンテナンス性にも配慮。

 

 初年度販売目標は、Si-280-6からSi-450-6まで3機種合わせて300台を見込む。

 

*1 機体全長比較。2013年1月現在、当社調べによる
*2 Si-280V JH600CとSi-280-6 JH600Dの比較による
*3 ABS樹脂成形においてSi-280V 2012年製との比較
*4 NSFインターナショナル:米国に本部を置く、中立的立場で公衆衛生機器に関して試験認定を行う国際的な公益団体。
        H1:偶発的に食品に触れる可能性がある箇所で使用可能なグリース

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